猫のぬいぐるみを雨の中に置いていく。

笑いを追求しているブログです。

東日本大震災

あれから7年が過ぎた。

私は今は市内の方で働いている。

 

あの時の衝撃を今でも忘れられない。

私は両親を失った。

 

しばらく仮設住宅にいたが、すぐに働きに出かけた。

何も考えず、いや何も考えないようにするために一生懸命働いた。

 

私はあれから一度も実家に帰ったことがなかった。

帰ってしまったら前に進めないのではと思っていたからだ。

 

しかし、最近では帰らないといけないのではと心の中のもやもやが少しずつ増えていった。

やっと整理整頓する時が来たのではないかと思った。

 

バスに乗り、地元まで行った。

地元は相変わらず何もなく、実家をここら辺かなというところまでしかたどり着けなかった。

 

そこで線香を上げた。

目を瞑り、手を合わせていると、声が聞こえてきた。

 

「お前のことずっと見てきたけどよく頑張ってきたな」

「お前のことを誇らしく思うよ」

 

「私もよく挫折せずにこれまで生きてこれてすごいと思うわ」

「これからもゆっくりあなたのことを見させてね」

 

横を見ると父親と母親がいた。

あの時と同じ服装だった。

 

優しかった両親がそこにいる。

私は涙が出てきた。

 

「ありがとう……ありがとう……」

もう一度横を見たときにはもういなかった。

 

私はまた会社に戻り、日常に戻っていった。

終わり。