猫のぬいぐるみを雨の中に置いていく。

笑いを追求しているブログです。

海と葬式

僕が帰ってきたときにはもう死んでいた。

 

去年の夏、僕は海に行った。

海が気持ちよかった。

 

あれほど気持ちいい海はなかった。

それほど僕は満足していた。

 

帰りには焼きそば買って帰った。

あれも良かった。

 

口の周りに青海苔が付いて。

 

どうしても食べたかったんだ!

 

 

ヤクザ崩れみたいな連中もその時ばかりは楽しそうに海で泳いでいた。

 

だから最初は驚いたんだ。

信史が死んできた時も。

あの時もそうだった。

 

帰ってる途中で忘れ物に気付いて。

また帰ってる最中も楽しかったなって。

 

そしたら信史死んでやんの。

びっくりして涙も出ないよ。

 

本当に。

 

 

 

あとこんな話もあった。

海は魔物だから気を付けてって。

モロに来るから気を付けてって。

 

何のことだかさっぱりなんだけどさ。

 

そういや昨日の葬式行ったか?

アイツ、アンパンマンの仮装して行ったらしいよ。

ハロウィンだからって。

ハロウィンも近いし信史も喜ぶんじゃねって。

 

そしたらさぁアイツ泣き出しちまいやがってからさぁ。

アンパンマンの顔が濡れちゃって力が出ないよーって言ってたんだ。

 

そしたらさぁ、一緒に海に行ってたアイツもさぁ、片鼻から鼻水出してさぁ、「片鼻から鼻水出してまーす」とか言い出してさぁ。

 

終わり